箸の使い始めは、子どもによって違いますし、家庭の方針によっても違ってきます。
日本人である僕らは、いつかは「箸」という道具を使うことになることが多いですし、周りに求められます。
でも、不器用な子どもにとっては、非常に難しいもので、なかなか上手にできるようにならず、いろいろな工夫をする必要があいますね。
リハビリにくるお父さん、お母さんに箸の使い始めた時期を聞くと、早い子どもでは、2歳くらいから、「エジソン箸」といった箸を使い始める子もいるようで、「そんなに早い時期から箸を使っている子がいるんだなぁ」と驚くことがあります。
一般的な発達(定型発達)では、箸を使い始めるのは、3歳頃から始まることが多くて、ここではあくまでも「箸を使って食べる」といった感じで、上手に食べる、上手に箸を使うといった段階ではないです。使う箸も、エジソン箸と言われるものや、バネ箸と言われるものなどを使い、「普通の箸」を使うことは、4歳頃(年中さんに入ったくらい)から始めていくことが多く、実際に、「上手に箸が使える」ようになるのは6歳頃が目安のようです。
なので、箸の習得がなかなか進まない子どもでも焦る必要はないです。
無理に最初から普通の箸を使わせると、まだ、箸を使う土台ができていない子どもでは、無理な使い方をしてしまい、「変な使い方」をしたまま定着してしまう子どももいます。そうなると、後から直すことが難しいこともあるため、子どもの力に合わせて箸の選択をできると良いと思います。
ここでは、上手に箸を使うポイントと段階別の箸の選択について紹介していきたいと思います。
箸を上手に使うポイント
- ピースの動きができる(指をばらばらに動かせる)
- 親指の先と他の指の先を合わせる動きができる
- スプーンを使う時につまんで持てる
- 箸の正しい持ち方を知っている
- 正しい箸の動きを知っている
- 箸を使わない方の手で、食器を押さえておける
- 姿勢が安定している
- 指先の力がある
- 力のコントロールができる
など
段階別の箸選択
お箸始め(3歳頃)
個人的にはまだ箸を始めるのは早いかなと思う時期です。でも、世のお父さん、お母さんたちはこれくらいから箸を持たせようと考えている方も多いですし、兄弟がいる家庭では、上の子どもが使っていると下の子も一緒に使いたがりますよね。
この時期は、まだまだ手の指の動きも一つずつバラバラに動かすことが難しいこともあり、つまんだ形で箸を持ったり、しっかりと箸を指の間に挟んで開いたり閉じたりすることが難しい時期です。
この時期の子どもの場合には、「箸に慣れる」ことを目標に進めるようにすると良いかと思います。
対応する箸としては、やはり「エジソン箸」が良いですね。
エジソン箸は、指のいれる穴がついているので、どこにどの指をいれれば良いのか比較的わかりやすいため、1人でできたと思ってもらうにはとても良いと思います。
使っている子どもをみかけると、全部の指がピンと伸びてしまっていて、まだまだ使いにくそうですが、箸を使いたい気持ちがでてきた子どもや、箸を使わせたとお父さん、お母さんたちには適応ではないでしょうか。
この時に、使わせるタイミングとしては、スプーンやフォークが親指、人差し指、中指の3指でつまむように持ててきている子どもであれば少しずつ使っていけると持ち方も安定してくる可能性があります。
だいぶお箸に慣れました(3歳後半~4歳頃)
だいぶ持ち方も安定してきていて、エジソン箸を持たせれば、自力で使うことができるようになってきたら、次のステップでしょうか。
この頃には、だいぶつまんで持つことが安定してきていますが、まだ、普通のお箸を使うには早そうです。特にこの時期は、つまむ形ができてきたとはいえ、箸を指先ではさんで、開いたり、閉じたりすることが苦手な子どもがいます。
そういった子どもの場合には、箸と箸の間にバネがついた「バネ箸(個人的にそうよんでいるだけ)」がオススメです。
エジソン箸と違って、穴がついていないものが多いかと思いますが、箸との間にバネが入っていたり、バネの代わりになる素材が入っている箸があります。その箸を使うと、箸を閉じた後に、バネの働きで箸が勝手に開くため、つまみの形がまだ未熟な子どもや、箸を開いたり閉じたりすることが苦手(特に開く動き)な子どもには良いかと思います。
まだまだ、普通は難しい(4歳~5歳頃)
この頃にんなってくると、園でも箸を使い始める時期になってきます。徐々に、普通の箸を使い始める子が増えてきます。しかし、子どもによってはまだ、普通の箸を使うことが難しいことが多いですね。
ここまで、バネ箸を使ってつまみの形が安定してきた子や、普通の箸を使っているけど、箸がクロスしてしまう、指を過度に握ってしまい、指先が上手に使えていない子どももいます。
このような姿がみられる時には、無理に普通の箸を使わなくても良いかと僕は思っています。
安定した持ち方を覚えること、手先の力がつくような遊びや動きがスムーズにできるような遊びをたくさんやりながら進められると良いですね。
この時にオススメの箸が、バネはついていないけど、箸と箸がつながっていて、バラバラにならないタイプの箸がオススメです。
この箸のポイントとしては、自分の指で箸を開く動きを安定させることです。バラバラになっていないので、箸を持つことにそれほど意識しなくて良く、指を動かすことに集中して取り組めるため、良い動きを覚えるのに良いですね。
しっかりお箸を使えます(5歳~6歳頃)
周りの子もだいぶ普通の箸で上手に食べれるようになってきている時期です。
バネのある箸や、バネのない箸を使い、持ち方、指の使い方を意識してきて箸がだいぶ使えるようになってきたけど、普通の箸になるといまいちまだうまく使えていない。。。といったことがあります。
ここまでくると、繰り返しの練習の中でできるようになってくる子がほとんどですが、中にはまだポイントがつかめていない子もいます。
ここでのポイントは、下の箸と親指と薬指で抑えておきながら、さらに親指の先と人差し指、中指でつまみ動かすことができると上手に箸を持って使うことができるようになってきます。けっこう、親指の動きが大切になりますが、苦手な子は、この親指で下の箸を抑えておきつつ、上の箸も親指でつまむようにして使うことが難しいようです。
ここ最近オススメしている対応としては、普通の箸に市販のクリップをつけて、そのクリップの上に親指をおいてもらうようにして、さらに、クリップの持ち手の部分に箸を入れ、箸を動かす時に持ち手から箸が離れないようにしたり、ひっかからないように意識して使ってもらう練習をすることが多いです。
そうすることで、親指の位置がわかりやすいことと、普通に持つより下の箸を安定させて持ちやすくなることでより正しい持ち方で使えるようになることを目指します。
指の動きの練習もしていこう
だいたい箸が操作できるようになってきたけど、なかなかつまんだ形で箸がもてない、使えないという子どもは少なくありません。
その原因として、手先の動きがまだ未熟な子ども、手先の力や力のコントロールが未熟な子どもがいます。
実際の箸の練習と合わせて、基本的な手の力、手先の力をつけるようにしていくことや、遊びを通して、いろいろな手先の動きを覚えてもらうようにすることも大切ですよ。
まとめ
箸が上手に使えるためには、段階にあった箸を使うことも大切です。最初から上手にできる子どももいますが、いきなり上手にできる子はそうそういないです。そういった子は、箸を使う前の段階でいろいろな遊びに興味を持ち、自分なりに経験をたくさん積めているからこそ新しい道具やものにもすぐに対応できるだけの身体の基礎や動きを身につけているのだと思います。
不器用な子もこれから箸を覚えようとする子も今の段階をしっかりと見極めながら少しずつできるように手助けをしいてあげましょう。
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